男は刀に憧れる

バガボンド―原作吉川英治『宮本武蔵』より (20)原作吉川英治『宮本武蔵』より (20)

いつだって男は、強いものに憧れる。

力の象徴は、なんといっても刀。

実物なんて触ったこともないし、実際斬るところも見たことがない。

でも、刀は憧れで、それを振るう人物は英雄でもある。

そしてそんな最強の英雄と考えると、日本人なら出てくるのが宮本武蔵

バガボンドが出る前から、誰もが知っている豪傑。

バガボンドが出てからは、さらに有名になっただろう。

今でも、宮本武蔵が最強であると思っているが、

気になるのは、佐々木小次郎

漫画では、耳が聞こえず、会話もままならない剣士。

たぶんこの漫画がなかったら、キザなイメージと

武蔵のライバルという意識しかなかった。

小次郎俺たちは―――

抱き締めるかわりに 斬るんだな

刀に狂い、刀に生きる。

昔の剣士たちには、こういう生き方もあったんだろう。

刀なんて、弓や鉄砲の前に、儚く散るものだけど、

憧れるのは、やはり刀で、その使い手。

昔の時代を、刀の時代を羨ましく思うけど、

平和な世の中が、やはり心地いい。

それでも、憧れるものなんだな。