「陽気なギャングが地球を回す」
人生における90分というのは、貴重ではありますが、
時計が一回りしてきて、半周進んだあたりで終わるものです。
その人生における90分を、この映画のために割いてもよいかと思います。
さて、首を長くして待った、映画版「陽気なギャングが地球を回す」
伊坂ファンとしては、見ないわけにはいかない。
つまり、僕は原作を読んだ人間なので、
未見の人とは、ちょっと感想が違うかと思う。
ロマンはどこだ?
ロマン「roman フランス」
①一般に、長編小説。
②夢や冒険への憧れを満たす事柄。「響野は―追う」
③4人組の銀行強盗。
メロドラマのようなロマンスではない。ロマンなのだ。
この映画は、結局そういうことのなのだ。
4人のギャングが、洒落た会話で掛け合いながら、
スタイリッシュに決めていく。
原作では、そのイメージが強かった。
映画では、笑いとロマンスにけっこう時間を割かれてしまった感がある。
冒頭こそ、素晴らしかったけど、だんだんと……
とはいえ、映画はおもしろいです。
原作ファンにもきっちり対応するように物語は、変化している。
原作を読んだからこそわかる、変化がある。
俳優さんは、みんな上手い。得に響野役の佐藤さんは、すごいよかった。
ただ、得に序盤の展開が非常に速くて、
原作を読んでない人が、付いて行けたか心配。
だけど、あまり頭を使わず、ざっと映画を見るのもいいかと思う。
洒落た会話とテンポの良さが、素晴らしいので。
みなさんも人生における90分を、この映画に預けてみませんか?