『新・世界の七不思議』 鯨 統一郎

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)新・世界の七不思議

世界の七不思議とは、約2000年前、

ギリシアの数学者にて旅行者だと言われている

フィロンが提案したものが有名なものだ。

しかし、七不思議とは古くから色々な人によって、

色々定められていたという。

道理で、僕の知っていたのと違うものが多いわけだ。

そして昨年には、スイスの民間団体がインターネットの投票で、

新・世界の七不思議を定めた。

日本からも清水寺がノミネートされていたので評判になった記憶がある。

まあ、世界の七不思議清水寺は地味な気もしたもので

やっぱり落選はしていたが。

今年で言うと、たけしの新・世界七不思議

という番組がテレビでやっていた。

僕も録画しておいて見たが、七不思議という言葉には、

どうにも惹かれてしまう。

この本は、昨年選ばれた新・世界の七不思議ではない。

それなら俺が考えようと、作者が決めた七不思議。

アトランティス大陸の不思議

ストーンヘイジの不思議

ピラミッドの不思議

ノアの方舟の不思議

始皇帝の不思議

ナスカの地上絵の不思議

モアイ像の不思議

一店のバーの卓上にて交わされる議論のみで、

この小説は成り立っている。

現地に赴いてとか、そういうことは一切なく、

カクテルを飲みながら、美味しそうな料理を肴に語り合う。

無知の知という言葉がぴったりくる。

まったく世界史に無知な宮田という人物が、

変な先入観なしに、七不思議の解明するさまは、

とても痛快だ。

どれも正解ではないのだろうし、

とんでも本に思える人も間違いなくでるだろう。

だけど、こういう考え方も悪くないし、

それなりの説明もあるので、なるほどと思える。

参考文献に、様々な歴史関連の文献が載っていたが、

最後の一冊だけ、

『ドカンと、うまいつまみ』 小林ケンタロウ

というのが、ちょっと笑えた。