『ヴァルプルギスの後悔 Fire1』上遠野浩平

ヴァルプルギスの後悔 Fire1. (1) (電撃文庫 か 7-22) ヴァルプルギスの後悔 Fire1

読んだのは、発売間もない頃だったのに、

なぜ今頃ブログで感想書いているかわからないkakasiです。

炎の魔女の物語が語られて、物語は加速する。

読み終えた後、そんなイメージが浮かんだのをよく覚えている。

これまで、ゆっくりと時計の針のように刻まれてきた物語が、

超加速されて、収束されてきているようだった。

とはいえ、ブギーポップという物語はライフワークのように続いていくのかもしれない。

でも、ブギーポップの世界が、あきらかに変わり始めたように思える。

これまで幾重に覆われていたものが、少しずつ露になっていく。

それに、昔やっていた『ビートのディシプリン』と物語がリンクしている。

そういえば、どこかで読んだ気がすると思い、

過去の作品をパラパラめくっていると、このためのと思えるエピソードが、

ビートのディシプリンから、多く見られた。

まあそういう話をすると、過去のブギーポップシリーズからも、

このための布石と思えるエピソードが幾つもあるのだけど。

読み手として、とてもうれしい試みでもあり、

ずいぶんと時間をかけてくれたなと憎らしくもある。

上遠野さん、僕もずいぶん年をくってしまいました……

そのせいか、最初のページに記してあった、懐かしい話。

クロダさんとの会話ですでに涙が出そうだった。

ブギーポップシリーズのある意味主役とも呼んでいい活躍の

炎の魔女こと霧間凪の物語である今作。

この本にファイル1とあるように、物語はまだまだ続いていくようだ。

タイトルのヴァルプルギスというのは、

ヴァルプルギスの夜をモチーフにしたもののようで、

wiki知識によると、ドイツでは「魔女の夜」という意味合いを持つらしい。

話がでっかくなってきたと思ったが、

よくよく考えてみると、一番最初の『ブギーポップは笑わない』から、

物語は、とんでもなく大きいものだったと思い出して、

今更何を驚くことがあるんだろうなと感じてしまった。

関連作品感想リンク

『ビートのディシプリンSIDE4』

『オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス』

『酸素は鏡に映らない (MYSTERY LAND)』

『ブギーポップ・クエスチョン沈黙ピラミッド』