『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎
知的で小粋で贅沢なギャングワールド増殖中
この本の前作、『陽気なギャングが地球を回す』は、
映画となって、ただいま絶賛上映中。
4人のギャングが、あーだ、こーだ言いながら
やっぱり事件に巻き込まれていく。
相変わらず、ロマンを探しているようだ。
読んでて、こういう話だったよな~と前作を思い出す。
今回は、前作以上に響野が道化を演じていて笑える。
会話でも、行動でも、彼の行動は、一味も二味も違う。
道化師は、笑わせてくれなくちゃ。
そして、映画を見たからか、読みながら
映画の俳優陣がスムーズに、頭の中でイメージされる。
だから、自分でこんな感じなんだろうなと、
イメージしながら読むのが、とても楽しかった。
もちろん話事体も、おもしろい。
もう、この人が小説を書くなら、
つまらないことでも何かに繋がっていると思った方がいいかもしれない。
会話も絶品です。
カッコイイ言葉もいいけど、笑える言葉もいい感じだった
今作はもちろん、そのまま読んでもおもしろい。
でも、やっぱり前作も読んだ方が、ずっとおもしろいと思う。
映画だけ見たという人も、
「地球を回す」の小説版を読んでから挑むべき作品。
もちろん、今作から入っても、おもしろいと思いますが。
熱くもないし、冷めているわけでもない。
こういう、ぬるめの感覚がとても好き。