「スパニッシュ・アパートメント」

スパニッシュ・アパートメントスパニッシュ・アパートメント とりあえず、オドレイを期待して見ないように。 でも彼女が目立たなくても、十分に満足できる映画だった。 青春映画につき物の、修羅場がないので、とにかく陽気に楽しめた。 スペインへ留学しに行く、フランス人の主人公。 そしてその下宿先での、他国籍の生徒との同居生活。 生まれも育ちも、文化も全く違う人種の集まる、よせあつめアパート。 そこで、主人公は学生らしく、 ばかみたいに騒ぎながら、真面目に勉強しながら 自分を見出していく。
僕は1つのものでない  多くのものだ
多くの葛藤と経験、そして幸せを抱え込んだ主人公を、 僕は羨ましく思った。 僕は、せいぜい他の県へ一人で出ることくらいしかできなかったけど 彼は、もっと大きな世界へと旅に出た。 きっと留学経験がある人は、もっと楽しく映画を観れたと思う。 彼は、離陸した。 子どもの頃の自分に恥じないように、彼自身の可能性を信じて。 その世界は無限に広がっているようだった。 広げた両手が、世界の広さを測量しているようにも感じる。
多くの道を経て 今日僕はここにいる たった1人で
でも、目を見開いて見れば、あのアパートに住んでいた住人達が、 どこかで生きているのが、見えるんじゃないかな。 Radioheadの挿入歌「No Surprises」が 主人公の孤独と、穏やかでかけがえのない 日常の流れを映しだしているようだった。 この曲が、またいい味を出しているのです。 ピンコン・ピンコン鳴っているあのイントロが、良い。 ちょっと幻想的にも感じた。 なんとこの映画の続編「ロシアン・ドールズ」が、 もう出来て、放映されているみたい! けっこう遠いとこしかやってないけど、来週観に行こっと。