「DEAR WENDY ディア・ウェンディ」

DEAR WENDY ディア・ウエンディDEAR WENDY ディア・ウェンディ

親愛なるウェンディ。貴方のためにブログを書こう。

アメリカの小さな炭鉱町に住む青年ディック。坑内が苦手で食料品店で働く彼は、炭鉱で働けないことに劣等感を抱いていた。ある日、家政婦の孫の誕生日プレゼントにとおもちゃの銃を買ったディックだったが、結局それを渡すことはなく、ダンボール箱にしまいこむ。数年後、父を亡くしたディックは、ダンボールの底から銃を見つけ出す。それを“ウェンディ”と名付け常に携帯するようになったディック。やがてそれが本物の銃であると知った彼は、驚く一方で、大きな自信が沸いてくるのを実感する。彼は自分と同じ“負け犬”の若者を集め、銃による平和主義を標榜する“ダンディーズ”を結成するのだったが…。

Amazonより

このあらすじだけでも見たくなり、

さらに「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー

脚本を務めているのだから、さらにワクワクさせられた。

メインキャストは、誰もが似合っていてよかった。

主演のジェイミー・ベルも素晴らしかったです。

そしてこれは、青春グラフティ。

ラースが脚本なので、救いのないことがわかっているけど……

映画見た後、色んなことを思い出した。

僕が持っていたのは、ガスガンでソーコムピストル。

確実に女でなく、男という感じの銃。

秘密基地と呼べるのは、酒屋の友人の大量のビールケースで作った所。

通学路の帰りあった、どこかの空き家を勝手に使った所。

どっかの森や、自分の家の空き家。

あっ、なんか今思うと、全然秘密基地っぽくないし、秘密基地多すぎ。

銃には、憧れるものがあるけど、

僕はやっぱり、そんなものいらない。

アメリカのような銃がはびこる社会は好きじゃない。

自衛のタメと言うけど、結局それが殺人に繋がる。

そう考えると、今回もラースお得意の

アメリカ社会への批判の映画なんだと思った。

青年達にとって、誰にも不可侵の聖域。

親愛なる、相棒たちと作り上げられた場所は、

やはり銃によって崩壊する。

それは、途中で入ってきた他者によって、その兆しは見え始めていたけど

銃を愛しすぎ、銃に見入られ、銃によって裏切られたとも感じた。

それでも、青年たちは銃を怨んでなんかいない。

親愛なる仲間と、親愛なる相棒と共に最後まで

周りの世界にあがき続けた。

その聖域は彼らの世界そのもの。

そんな場所が、僕も欲しいと思った。

親愛なるウェンディ。僕たちの物語を手紙に書こう。

君への想いを……。

正義ってなんだろう。