『LOVE&FREE―世界の路上に落ちていた言葉』 高橋歩
キミの心の中のトムソーヤは元気かい?
開いたそのページに、この言葉と、子どもの笑顔。
何故か、ドキドキした。
それと同時にいたたまれない気分にもなった。
僕の中のトムソーヤは、ずっと、昔に眠ったままなんだろうか?
そんな気がしてきた。
写真と、文字が問いかけてくる。
この世には、僕の知らない場所があり、知らない人が山ほどいる。
色んな風俗があり、文化があり、言葉がある。
だけど笑顔だけは、誰もが金ピカに輝く満面の笑み。
もちろん、笑顔のままでいられない人たちもいる。
世界には、ハックルベリー・フィンも溢れている。
そんなこと知っているが、僕らはすぐに忘れてしまう。
ちょいと、いや、かなりクサイ言葉だけど、それがいい。
何の縛りもなく、続けられた放浪記。
気取ったくらいでいい。
理想を語れないのは、寂しすぎるから。
さあ、僕のトムソーヤを起こさないといけない。
読み終わって、僕はそう思った。