「The Eraser」 Thom Yorke
たまに、すごく聞きたくなる声がある。
まさに僕にとって、そんな声の持ち主だ。
気がつくと病的に彼等のアルバムを繰り返し聞いたこともあった。
内向的であるが、情緒感が溢れてくる。
曲のメロディもさることながら、その歌声が
心のモヤモヤを昇華してくれていた気がしていた。
今まではバンドとして演っていたが、今回はトム・ヨークのソロ。
当然バンドサウンドとはいえないような曲ばかりだった。
もちろん、そういう曲はレディオヘッド時代もあるが
それでも今回のソロを、やはりレディオヘッドの音という気がするのは
トム・ヨークの声のせいかもしれない。
そして、個人としてのアーティスト性みたいなものが、高いと感じた。
レディオヘッドとしての新作も、多くできているみたいなのに
こんなにたくさんの、良質の曲を用意できていることに驚いた。
鼻歌のように軽く聴けもするし、
深く入り込みもでき、かなり好きなアルバム。
トム・ヨークは実に美しく、そしておもしろい声をしている。
声だけは、どうにもならない。
僕は、自分の歌声を初めて聞いた時、上手い下手もあるけど
僕が、実に嫌いな歌声だったので、この世の終わりかとも思った。
消し去ってしまいたいことだが、
これと付き合っていかないと思うとぞっとする。
だから、僕はこんな声をだせるトム・ヨークを尊敬する。