「らせん」

ただずっと答えを探したり

形無き自由を手にしたり

混沌の世代に 僕らは生まれたんだし

song by rough laugh

誰がために鐘は鳴る」らせん主題歌

そういえば、このドラマは、ノストラダムスMMRにドキドキしていた

混沌の世代の1999年だったんですね。

まあでも、1999年なんて人類の歴史全体から見れば

そう混沌としていたわけでもなく

いつの時代だって、混沌としているだと感じます。

僕にも、ジョン・レノンを神と崇めたり、UFOの存在を信じたり

呪いのビデオを多少信じていた、幼稚な価値観を持っていた頃に

やっていたドラマ「らせん」を改めて見終わり

二週間「リング~らせん」と貞子とずっと対峙していたkakasiです。

まあ、UFOとかも存在するほうが、世の中おもしろいので

それはそれで歓迎していますがね。

あるなら出て来いと言いたいけど、ホントに出てきたらビビリます。

結論から言うと、怖かったです、こっちは。

特に中盤辺りの貞子は、恐ろしいほどでした。

逆に後半は貞子の怖さがすっかりと衰え、

田辺誠一らを始めとする人間の頭の恐ろしさに身震いした。

ミルグラムアイヒマン実験でさえも、倫理どうのこうのの前に

こんなこと考えた人の人格を疑う僕からすれば、

映画の「es」でも知られる、

スタンフォード監獄まで持ち込まれたら、たまらないわけで……

権威への服従、状況の力の支配は、貞子に匹敵するくらい恐ろしい。

ただ、このシリーズは貞子あってのものなので、

正直要らない要素だとも思う。

伝えたいことは、すごく良くわかるのだけど。

恐ろしいで言えば、看守が正体を現した時の田辺さんの表情。

あれは、すんごかった…

権威や状況より、個人のパーソナリティーってものが、

やはり、影響を与えるのではないかと思えるほどに。

ドラマの内容で言うと、ホラーだったけどミステリーだった。

リングもそうだったけど、よりその傾向が強い。

そして主役の岸谷五郎は、学校の先生なのに

名探偵顔負けの推理を見せる。

貴方は凄すぎです、としか答えようが無い。

そのせいか、リアリティが薄かった。

あっさり難問を解いていくし、人間的にも出来すぎている。

その純粋さと、意思の強さ、そして人間的な弱さまでと

みんなに好かれるヒーロー要素を兼ね揃え、

最後までヒーローだった。

もちろん彼の行動で感動は覚えたけど、

なぜなのか?という考えは拭えない。

最終的に僕が思ったことは、やっぱ倫理的なこと。

ホラーを期待して見たのに、なぜこんなこと思うんだろう?

貞子だって、良いように使われ続けただけだし、

今じゃ完璧な児童虐待、いや人間への虐待も扱い、

科学の進歩のために、犠牲をいとわないという人も出てくる。

天然痘のワクチンを作るため、

多くの子どもへ、人体実験をしたという話はさらにイライラさせられる。

しかし、そのおかげで多くの人が助かったことは事実。

歴史だって人だって、過去に犠牲を払った代償で生きている。

今更、可哀相だからと全てなかったことになんかできない。

そうしないと、仕方ないから。

そんなことをしてきた人たちが嫌い。

でも仕方ないで片付けようとする、そんな自分が大嫌い。

人間のエゴが強く打ち出されたドラマだと思った。

そんな中での主人公の決断は、

一筋の希望の光を差し込めるものだったんだと感じた。