「オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える」 木村元彦

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える

どうも、こんにちは。

同じ課題図書なのに、オシムの言葉だけ全て残され、

重松さんを始めとする、他の本ほぼ全て返品されたことに

売れ線という本に怨みさえ感じるkakasiです。

でも、まだなんとかブームといえばブームだし、

これからオシムさんの代表の結果しだいでは売れる可能性大、

そして波乱万丈の人生を送って、語る言葉もユーモアに富んでいる方

の本なら売れるだろうし、何よりおもしろい。

サッカー関係のノンフィクションのこういう形式の本は

ジュビロの(元とかつけたくないけど)名波浩

NANAMI 終わりなき旅』『名波浩 泥まみれのナンバー10』

くらいしか読んだことがない。

本人が書いていないということもあり、「泥まみれ」の方に近いかな。

このオシムの本は、オシムの半生を書かれている。

この本が出た時は代表監督になっていなかったので

ジェフの監督時代までのことが。

もちろん、ジェフ時代のことがメインになるのだけど

ユーゴの民族紛争のことが、痛ましい。

当時多くの民族を抱え込むユーゴの監督だったオシムが、

その当時に語るべき言葉の一つ一つに細心の注意と、

それでもリスクを犯しての、戦争の愚かさを説いているようにも感じた。

言葉は、人を動かすにも、傷つけるにも、

憎むにも恐ろしい効力を持つ。まるで呪いのように。

言霊とは、よく言ったものだ。

言葉には、何か不思議な力が宿る。

だから大切に扱わないと、誤解や攻撃を与えてしまうんじゃないか。

それが、厳しい時代背景があれば尚更のことに。

監督として多くの会見が開かれるが、

オシムは言葉の力を恐れているようだった。

だから、ユーモアを交えているかのようにさえ思えた。

選手には、厳しさと優しさとユーモアを。

家族には、無限の愛を。

オシムは、故郷に変えれば英雄的な人物。

日本でも、多くの人に愛され、慕われている。

そして、理解されている。

それは、とても幸せなことだと思う。

今、代表の監督となっても、

同じようならこんなに素晴らしいことはない。