「ポビーとディンガン」
小さい頃の僕といったら、暇さえあれば空想の中に身をおいていた。
今じゃ、そんな世界もあったなと懐かしく思うくらいで、
毎日慌ただしく、暇があっても何か別のことに夢中で
空想の世界は、現われることなどほとんどない。
この映画に出てくる少女は、その空想が現実世界にまで及んでいる。
2人は空想の住人だが、少女ケリーアンの友人だ。
その2人が急に消えてしまった。
少女の願いのため、家族は力を貸すがそれが思わぬ展開を迎えてしまう。
寓話なんだけど、このように空想の友達を作ることは
世界中の子どもたちに、実際あることらしい。
だから、もしかしたらこの映画で
懐かしい思いをする人もいるかもしれない。
信じること、夢をみること。
そばにいた時も、いなくなった後でも分かち合ったもの。
それは本物になる。それは永遠になる。
僕らが信じられなくなったものを、子どもは綺麗に守っている。
目に見えないものをポビーとディンガンを必死に探す
少女の兄アシュモルのやさしさが、暖かかった。
最後は出来すぎな展開だが、そんな奇跡の話がとても僕は好き。
小さな奇跡だが、とっても優しさに溢れている。
ポビーとディンガンを見かけた人はいませんか?
目に見えないものを信じることは、難しいことだけど
誰かのために、一緒に信じて探してあげること。少女の思いに答えること。
見終わったら、優しい気持ちになれる映画だった。