「グッバイ、レーニン!」
ベルリンの壁は崩壊した。
だけど僕は母を守る壁を作ろうとした!グッバイ、レーニン。つまるところサヨナラ、社会主義。
コメディっぽいけど、大真面目。
東ドイツに住むある家族。
父に西ドイツに亡命され、
だが、ベルリンの壁が崩れ去る前に母は倒れてしまう。
目覚めた時は、すでに壁はなくなっていた。
信じていたものが消えてしまった。
東ドイツは変わってしまった。
ドイツは変化した。
目まぐるしく全てが変わっていく。
そんな時代の流れに逆らうかのように
主人公のアレックスは、母を守るため奔走する。
彼はもしかしたら、最後まで東ドイツを夢見ていたのかもしれない。
母の代わりに、短い間だが夢を見ていたのかもしれない。
こういう風に書くと、政治的な映画だと思われるかもしれないが、
まぎれもない家族の映画だった。
ウソだったかもしれないが、それは、誇れるものだったと思う。
周囲の人物たちも、サポートをしてくれる。
だが、その胸中はどうだっただろう?
主人公の恋人のララは、本当のことを言うべきだと言う。
姉は、もうこんな芝居はたくさんだと文句を言う。
真実を告げるか、隠し通すか。
両方とも善意からくるものだから、難しい。
だけど、いつかは決断しなければならないし、
いつかは、別れがきてしまう。人の思いや、国にだって。
だけど、受け継ごうと思えばできるのだ。
この主人公がしてきたことのように。
大切なのは、覚悟なんだと感じた。
それにしても主人公の友人とイェーンはおいしい役だな。