「ボウリング・フォー・コロンバイン」

ボウリング・フォー・コロンバイン ボウリング・フォー・コロンバイン

本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ
伊坂幸太郎『重力ピエロ』

一見、完全にコメディだけど、実はすごいシリアス。

だけど、これはコメディ・ドキュメント映画。

監督のマイケル・ムーアは、

アメリカの悲惨な出来事をコメディ映画として世の中に知らしめた。

タイトルからもわかる人がいるだろうけど、

アメリカのコロンバイン事件を始め、様々なことを採りあげている。

だけど、映画を見た人ならわかると思うが、

アメリカをバカにしていても、

アメリカという社会に犠牲になった人のことは

決して笑い飛ばしてなんかいない。

シリアスにいくべきところは理解している。

だからこそ陽気に、悲劇的なアメリカの現実を映し出している。

そして僕らは、陽気にはこの映画を見られない。

こういう映画を見ると、日本に住んでてよかったと思うけど、

うかうかしていられない。

どんどん日本はアメリカに近づいていく気がする。

テレビ番組のCMであったけど、日本が向かうのは

美しい国なのか、それとも危険な国なのか。

恥ずかしながら、政には疎いのだけど、

20も超えれば、少しは関心が出てくる。

正直、今の某総理の政策は、個人的にいかがなものかと。

まあ、またそれはまた別の話で。

ものすごく、考えさせられる映画だった。

アメリカのお偉い人たちは絶対見ておくべき。

受け取る側は、それぞれのものを受け取るだろうが、

これを見て、何も感じない人はいないだろう。

しかし、それでも何の対策もしないし

自分のエゴを満たすようなことしかできない人がいるんだろう。

国のためといって、国民のことを考えない人がでるんだろう。

そんな人たちが、この映画から見える国にしていったのではないか。

答えはわからない、だから考えるんだ。

疑問なら山ほどある。

マイケル・ムーアは、そこへ真っ向からぶつかって行った。

彼の行動力は、すごい。エネルギーが伝わってきた。

コロンバイン事件を起こす影響を与えたと

糾弾されたマリリン・マンソンが、

コロンンバインの事件の被害者と会えたらどうすると聞かれると

何もせず、黙って話を聞くと答えたことが印象深かった。