「竜馬の妻とその夫と愛人」

竜馬の妻とその夫と愛人 竜馬の妻とその夫と愛人

タイトルからしてややこしいが、内容としてもややこしいコメディ。

龍馬の妻だったおりょうと、再婚した亭主松兵衛、

役人でかつての竜馬の部下・覚兵衛。

竜馬に似た愛人の虎蔵がドタバタやっている。

それなのになぜか、感動してしまった。

と、昔見たとき思ったはずだった。

竜馬がゆく』を読み終わったので、

また久しぶりに観たくなりレンタルしてきた。

新選組!」でも龍馬を描いた三谷幸喜の脚本です。

おりょう鈴木京香、松兵衛はとんねるず木梨憲武

覚兵衛には中井貴一、竜馬に似た男に江口洋介

めちゃめちゃ豪華、どれも主演を張れる。

そういえば大河で、江口さんは竜馬のニセモノから本物に格上げしてる。

ラストではあんなに情けない竜馬だったのに、

前半のカッコイイ偽者ぶりが三谷さんを動かしたのかな。

4人とも人間臭く、素晴らしい演技だった。

すでに死亡している竜馬には、トータス松本が演じている。

オレ生きてっから!

アイツ死んじまってるけどオレ生きてるから!

そうだ、以前の僕は木梨憲武が見たくて借りたのだ。

見始めて、すぐ思い出した。

松兵衛という貧乏で、情けなく、気弱でダメな男を演じているのだが

愛嬌がある、素朴さがある、笑顔がある。

そしてこのセリフに僕はすごい感動したんだ。

情けないことに、なかなか思い出せなかった。

自分は竜馬ではないし、ほとんど竜馬にはかなわない。

しかし、死んでしまったら支えられない。

心底おりょうを好きだから、重荷だったら軽くなる。

生きている限り、待ち続ける。

死んでいる人に何ができるのだろう。

生きてるってことは、それだけで素晴らしいことなのかもしれない。

そして新たな竜馬の死亡説がラストに出てくるわけだが、

ちょこっと笑えてしまう。

回想のトータス、ピクピクしてるし。

でも、やっぱり松兵衛も竜馬が嫌いじゃないんだなって。

みんな竜馬が好きで、僕も竜馬が好きなんだって最後は思った。

結局のところ、タイトルから連想するのだって坂本竜馬だし。