「悪夢探偵」

最近、シャーロック・ホームズシリーズを読んでいるからじゃないけど

ラッキーナンバー7という映画を観るはずで映画館まで行ったのに、

どういうわけか、悪夢探偵を観て来ました。

良い夢は、ずっと残しておきたいのに、あっさり忘れてしまい

悪い夢は、忘れたいのに、記憶に鮮明に残っている。

それは、子供の頃から、今でもずっと同じで、

悪夢というのは、僕にとってこの上ない嫌なもので恐怖だ。

醒めれるもなら、醒めて欲しい。

どうなってもいいから、終わって欲しいと

悪夢を見るたび思っている気がする。

この悪夢探偵は、そんな自分のかつて見た悪夢を思い出すような

一風変わった、ホラー映画という感想だった。

探偵というから、ミステリー的なものを想像していたけど

この悪夢探偵は、事件を解こうとするやる気もなく、

捜査能力もなく、死にたい、死にたいと人生に悲観さえしている。

それに加え、タイトルに探偵とあるが、探偵でさえない。

悪夢探偵を演じている、松田龍平は不気味な存在感を出し、

刑事役のhitomiは役者でなくミュージシャンだからか

演技は、それほど……なのだけど、平時の無表情ぶりと

追い詰められた時の焦燥した姿が、

映画になんとも怪しげな空気を作っていた。

そして痛感した、僕は悪夢は大嫌いで、すごい怖いのだ。

だけど、現実だって少しでも視点が変われば、恐ろしいものになる。

主人公の悪夢探偵は、現実と夢と2つの世界で

恐ろしいものを体験しているようで、こうはなりたくないと切に思った。

僕には、この映画はストーリーうんぬんに

このまるで悪夢を見ているような雰囲気が絶妙だったと思う。

サスペンスにサプライズが上手く溶け合って、

想像するにも、映像で驚かさせるのも、

すごいドキドキさせられた。

リアルであって、リアルでない夢の世界のような悪夢。

ただ、物語として、そんなにおもしろいかと言われると微妙であるし、

もう一度見ろと言われても怖いし、けっこうグロイし、

なかなか見れないかもしれない。

2を作ると塚本監督は意気込んでいるが、出来るかな~

昔、「悪夢の王」というドラマを見て、

トラウマになったことを何故か思いだした。

やっぱり悪夢はもう、うんざりだ。