『図書館内乱』 有川 浩
今度は、内乱だ!!
どんな組織でも、一枚岩ってわけじゃないということ。
内部にも外部にも正義が、山ほど存在しているということか。
今作は、前作の主人公、笠原郁がもちろん主役だけど、
5つの章で構成されていて、他のキャラの出番が多い。
それぞれの章で、語り部というか主人公を他キャラがしていて、
ぜひ、彼らの物語を除いてくださいと言えるような本だった。
1が主人公の話で2,3,4が他のキャラで、
5で再び主人公というか、この物語の本筋の話に。
2,3,4で、より明確に描かれた他の人物の話があり、
5に進み、人物の魅力がますます増して、再登場と行った感じ。
漫画みたいだ。
図書館側と、良化「査問」委員会という対立の大前提に加え、
図書館内でも、2つの派閥の対立。
現実の世界にも、言えるが、
こう、ごちゃごちゃしてくると、正義が一つだけだとわかるなら
どんなに、楽かと思うが、やっぱり人の数ほどあるんだろう。
そして、例えこの主人公側が悪だと決められても、
この人たちは、必死に本を守るんだろう。
正義とかより、自分の信じたもの、大好きなもののため。
ついでに、表紙に小さいが『レインツリーの国』が出ている。
この本の内容にも、関わってきている重要アイテムだけど、
実際に、この本は、『図書館内乱』が出て後に、刊行されている。
以前、この本を読んだことがあると、感慨深い。
それにしても、amazonの商品説明に書いてある、
行政戦隊図書レンジャーって……
まあ、おもしろいけどね。