『喪失 SAKNAD』 カーリン・アルヴテーゲン
個人的に大注目なカーリン・アルヴテーゲンの2作目。
とか言いながら前作の『罪』読んでから、けっこう空いちゃったけど。
主人公への感情移入が上手くできる作品です。
18歳まで裕福な家で暮らしていたが、
その後ホームレス同様の暮らしをしていた、32歳に女性シビラ。
無実なのに、猟奇殺人の容疑者として追いつめられながらも、
真犯人に迫るというお決まりと言ったら、お決まりの「逃亡者」的作品。
だけど、これが作者の腕の見せ所。
『罪』も続きが気になって、ページをめくる手が止まらなかったけど、
作者の2作目のこの作品も同じく、
ジェットコースターのような勢いに後押しされる。
翻訳の人の力なのか、やっぱり読みやすい。
いや、やっぱり作者の力なんだろう。
主人公のことをよく読者にわからせるため、
現在と主人公の過去を交錯させながら、
中盤まで進めていく方法は、感情移入の点で良かったけど、
できれば、もう少しわかりやすくしてほしかったな~
これ過去だよねとか、これ現在だよねとか、
確かめるのが、ちょいめんどくさかった。
子どもの頃からずっと、一人ぼっちで親でさえ、
理解者となりえなかった。
しかし、自分の半分の人生しか生きていない子どもだが、
ようやく理解者を得て、
あきらめかけていた自由を手に入れるため、真相に迫る。
勇ましい女性の活躍は、必見です。
3作目の翻訳は、まだかな~