『永遠の出口』  森 絵都

永遠の出口 (集英社文庫(日本)) 永遠の出口

永遠という言葉を信じたくなることもあれば、

永遠なんてものありっこないと思うこともあった。

僕は永遠という響きに弱いってことなんてなくて、

なんとなく永遠って響きが好きだった。

なんとなく、日常が続いていくように思えた。

なんとなく、なんとなく・・・

ずっと、仲の良かった友達とも、いつのまにか疎遠になっていたり、

ひょんなきっかけで、出会い、そして別れて・・・

いつのまにか一緒に居て、いつのまにか別れてしまう。

そんなごく普通の一生を、少女が成長する過程を描くことで、

見事すぎるくらい、残酷なくらいリアルに表していた。

だけど、思い出だけは積み重なっていくんだよなぁ。

急に物語から消えた人物が、急にまた現れたり、また消えたり。

これも人生なんだなと感じた。

女性向けではあると思うけど、

大人に変わっていくこと、出会うこと、別れることは、

男にとっても、共感できる部分だったと思う。

ああ、なんとなく僕たちは大人になるんだ。

永久未来続くものなどあるはずはないから。

銀杏BOYSの「なんとなく僕たちは大人になるんだ」と、

SOPHIAの「Beautiful」の2曲の歌詞を引用させてもらいました。

頭の中でリフレイン。