読書 作家別 「ま行」

『銃口』 三浦綾子

自分に正直に生きたい。 欲とかそういうことじゃなくて、正しいと思うことを貫けるということを。 多くの人がきっと自分の考えに忠実に生きてはいないと思う。 社会人になって、組織っていうものの一員になってみると強く思う。 昔「言いたいことも言えない…

『ヴィーナスの命題』 真木武志

ヴィーナスの命題 大きな物語が欲しいのよ 何とも心踊らされる言葉なんだろう。 僕が小説というか、創作の物語に惹かれているのは、大きな物語が欲しいからだ。 結局のところ、現実は小さな物語の固まりでしかないので、 創作の物語に自分を投影して、夢を見…

『鴨川ホルモー』万城目学

鴨川ホルモー もはや何が何だか…… 本の内容にしても、自分が読んだ時期にしても。 確かこのホルモーの映画が始まる前のことでして、 何をいまごろといった気分。 内容の方は森見登美彦さんが好きならこれも好きかなと。 同じ雰囲気を感じる。バカバカしくて…

『1Q84』 村上春樹

2つの物語とメタファー。 『海辺のカフカ』や『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 という過去の村上さんの作品と骨組みが似ているなというのが率直な感想。 色々と複雑すぎて何を感想として書けば正解なのかもわからないし、 全体を通して村上…

『三四郎はそれから門を出た』 三浦しをん

三四郎はそれから門を出た 最近めっきり小説を読む量が減ってしまった。 でも、雑誌とか漫画は毎日、毎日。 やっぱり僕は本が好き。 昨日は、仕事帰りに本屋で小一時間。 今日は休みだったので、一人でファミレスに本を持っていき、 はい一冊読了。それがこ…

『東京奇譚集』 村上春樹

東京奇譚集 久しぶりの村上春樹作品。 自分がタイトルから期待していたような、摩訶不思議な話ではなかったが、 不思議であり、偶然が連なるような話だった。 「偶然の旅人」 「ハナレイ・ベイ」 「どこであれそれが見つかりそうな場所で」 「日々移動する腎…

『永遠の出口』  森 絵都

永遠の出口 永遠という言葉を信じたくなることもあれば、 永遠なんてものありっこないと思うこともあった。 僕は永遠という響きに弱いってことなんてなくて、 なんとなく永遠って響きが好きだった。 なんとなく、日常が続いていくように思えた。 なんとなく…

『あやし』 宮部みゆき

あやし 現代物のホラーも、時代物のホラーにも、 共通してよく思うことは、怖いということもあるけど、 悲しい話であったり、霊になったのが不幸な人物だったと感じること。 宮部さんのこの時代怪奇小説『あやし』は、人情物にも感じられるので、 怖いという…

『模倣犯 (上・下)』 宮部みゆき

じっくりと、腰を据えて書いたんだろうなと想像できる。 一つ一つの描写を丁寧に、そして人物の深層心理を徹底的に。 その分、人物に感情移入しやすかった。 そして、そのせいで多くの人々の、悲しすぎる結末に、 生々しすぎるほどの、悲しみと空虚感を感じ…

『三谷幸喜のありふれた生活 4 冷や汗の向こう側』 三谷幸喜

三谷幸喜のありふれた生活 4 冷や汗の向こう側 大河ドラマ「新撰組!」の裏側なんかも描かれている、 三谷幸喜エッセイの4巻目。 三谷さ~ん、ドラマ見てましたよ! そんな僕なので、大河の裏側や、終わった後の出演者に様子を おもしろおかしく、たまに感…

『あかんべえ(上・下)』 宮部みゆき

人情+ファンタジー+ミステリ。 しかも長編小説ということなので、 読み手は大人になってくるのが当然なんだろうけど、 ここはあえて子供に読んで欲しいと思える話だった。 読み終えて、色々感想が浮かぶのだけど、 解説の一発目に、自分の言いたいことが、…

『イレギュラー』 三羽省吾

イレギュラー 夏だ! 熱いぜ! 高校野球! 今、こうしてパソコンに向かってカタカタやってる人もいれば、 炎天下の中野球をやってる人もいるわけです。 常葉菊川と広陵の試合を見ながら、書いています。 僕としては、常葉菊川を応援してるのだけど、負けてい…

『失われた町』 三崎亜記

失われた町 タイトルに失われたとあるように、 読み終わった後も、ああ~失われてしまったのだなって センチメンタルな気分になった。 だからといって、絶望だけが残る話でもない。 様々な視点、様々な場所から紡がれる「失われた街」を巡る話。 最近読んだ…

『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん

まほろ駅前多田便利軒 うん、なんかドラマ化してもおもしろそうだ。 探偵ではないが、便利屋。 だけど、探偵物のような雰囲気をかもし出す。 適度にハード・ボイルドだけど、エンターテイメント。 フラフラしているようで、実は地域密着型の稼業。 陰と陽が…

『風に舞いあがるビニールシート』 森絵都

風に舞いあがるビニールシート 最近は短編といっても、どこか繋がっているものばかり読んでいたし、 そういうものが僕は好きだった。 今回は、まったく繋がっていない短編集。 だけど一話一話、とても丁寧でいて、 とても凝縮されているというイメージを受け…

『厭世フレーバー』 三羽省吾

厭世フレーバー この物語は、5章に別れている。 十四歳、十七歳、二十七歳、四十二歳、七十三歳。 最初の章を少し読み、てっきり僕は、1章の少年の成長する話。 人生に悲観するような、現代社会を描いたような話だと思った。 だけど、違う。 これは家族の…

『となり町戦争』 三崎亜紀

となり町戦争 僕の趣味が読書だと言うと、多くの人に、 え~見えない~、 と言われる。 しまいには、漫画かエロイちょっと大人な本だとさえ言われるしまつ。 これが僕に対する、周囲の反応。 みなさんは、戦争については、どう反応するか。 僕なら、無関係の…

『アフターダーク』 村上春樹

アフターダーク 村上春樹の作品をちょこっとだが読んできて、 この作品を読み、さらに思ったことは、この作者は無駄に説明をしない。 謎は謎のまま残り、闇にと消えていく。 人物描写も、少なくないはずだが、イマイチ人物がわからない。 今回は心理描写も少…

『風の歌を聴け』 村上春樹

また村上春樹です。 実はこれ読む前に『羊をめぐる冒険』を読んでいたりするkakasiさんです。 完全に読む順番間違えてますが、気にしないでいこう。 あらゆるものは通りすぎる。 誰にもそれを捉えることはできない。 僕たちはそんな風にして生きている。 生…

『ねじまき鳥クロニクル』 村上春樹

(第1部〉泥棒かささぎ編 〈第2部〉予言する鳥編 〈第3部〉鳥刺し男正直何が、何なのかわからない。 物語もそうだが、タイトルだってそう。 抽象的すぎるというか、比喩や隠喩に満ちているというか。 作者風に言うなら、メタファーに満ちているというのだろ…

『海辺のカフカ』 村上春樹

海辺のカフカ (上)(下) 15歳の少年は、そこから逃れるために冒険に出た。 あるいは、何かをなし得るために。 一人の老人も冒険に出る。 失ってしまった何かを、自分の半身を、自らの影を求めて。 この本が出た頃、僕は16歳だった。 その頃村上春樹などま…

『三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日 』 三谷幸喜

三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日 三谷幸喜という人間かを、知るためのてっとりばやい手段は、 これを読むことだと思う。 私的なエッセイなので、文章も砕けた感じで、とても読みやすい。 「大河な日日」とあるだけに、内容は「新撰組!」の始まる前か…

『水木しげるの妖怪談義』 水木しげる

水木しげるの妖怪談義 京極夏彦、小松和彦、荒俣宏、養老孟司、 吉村作治、美輪明宏、南伸坊、呉智英 と、豪華な面々と水木しげるの対談。もちろん内容は妖怪。 でも、妖怪を語ると、人間が見えてくるという不思議な内容。 妖怪を通して、人の本質のようなも…

『羊をめぐる冒険、上・下』村上春樹

村上春樹の青春三部作の3作目。 というのは、読み終えてから知りました。 先に『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』を読むべきだったんだ… ちなみに、この作者の本は、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 しか読んだことありません。 でも…

<span style="color:#0000FF;">私の中の龍よ</span>

『龍は眠る』 宮部みゆき 龍は眠る 宮部みゆきさんの作品って、ファンタジーが入ってたり、 推理物だけど事件の解説、謎解きより、 続きを知りたいと思う気持ちのほうが強い。 物語を楽しめる作品が多いから好きだといっても まだ、数冊しか読んでないけど。…

「文体とパスの精度」村上龍、中田英寿

文体とパスの精度 以前、『悪魔のパス 天使のゴール』を読んで、 村上さんは、サッカー好きなんだなと感じましたが、 これを読むと、やっぱり、サッカー好きだなと感じた。 サッカーを見るところも、おもしろいな~と感じる。 人によっては、なんだ文句ばか…