「気狂いピエロ」

気狂いピエロ 気狂いピエロ

「見つけた 何を? 永遠を 海と溶け合う太陽を」
ゴダール作品は、初めてです。

巨匠の名作とか、純文学とか、気高いものは、

無縁な僕だと思っていたのですが、

こういうものを読んだり、見たりするお年頃になったんだな~

難解というか、考えてることがわからないというか……

物語の流れ的には、単純明快な、

「それは冒険映画だった」   「それは愛の物語だった」

僕には、最後の自殺シーンは、ホントに火が着いちゃった!

やべっ!消さなきゃ!

ドッカーン!!

って感じに見えて、まさにピエロに見えた。

結局、マリアンヌにとってもフェルディナンは

自分の手の平で踊るピエロのようなものだし、

ずっと本名じゃなく、ピエロって呼ばれてるわけで。

それは、置いといて、美しい映画だった。

色使いが、話が、ポエムが、音が。

主人公のフェルディナンとヒロインのマリアンヌの掛け合いの

ポエティックで哲学的な会話が、聞いていて、

字幕を目にして美しいと感じた。

劇中の音楽が流れる間に、たびたび訪れる空白さえも、

美しいと感じざるをえなかった。

人生とは、なんぞや?  映画とは、何ぞや?  愛とは、何ぞや?

とにかく問いかけて、

ゴダールがそれについて自信の答えを投げかけてきる。

じゃあ、僕にとって、それらは何なのだろう?

まだ、20歳のガキに答えを出すのは難しいだろうし、

あっというまにその答えは風化して、違うものに変わるんだろう。

その時にまた、この映画でも見て考えてみたいものだと思う。