『思考の整理学』 外山滋比古

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫) 思考の整理学

読むのにずいぶんとかかってしまった。

まだ実家にいた頃に買ったので、約3ヶ月といったところか。

ある意味、この本に書いてある、

いったん寝かせるを実践してみたような、単なる怠惰のような。

内容はタイトルの通り、思考を整理するためのことが書いてある。

当たり前のことを、しっかり実践することから、

まさか、そんなやり方があるとは……といったことまで。

でも、どれもよく考えてみると、なるほどと納得できる。

社会人になってからというもの、考えることが多い。

思考を整理して、筋道を立てて、伝えなければいけないことがある。

それは、社会人だろうが、学生だろうが変わらないはずだ。

ということは、いかに今まで僕が怠けていたということ。

頭ではわかっているのに、時間がない、その時間を他に使いたい、

あるいは、めんどくさい。

なかなか実践まで持っていくことができない。

例えば、文中にあることは、頭にあることをまず書いてみる。

まあ、これは考えをまとめようにも、どうすればいいかわからないなら、

まず書いてみる、そうすれば書き進めるほど頭がすっきりしてきて、

思いも寄らない考えも出てきたりするということだ。

細かい説明は、この本文をどうぞ。

このことは、かなり僕にも当てはまる。

書かなければ始まらない。

このブログなんて、そのようなことの典型だ。

書いていて、初め頭にないことが浮かんできて取り入れたりしている。

そして、書くことをやめないで最後までいき、ゆっくり推敲すること。

このことは、このブログではまったくできていない。

第一稿が満身創痍なら、第二稿を、これもできない。

書いて満足するダメなタイプだ。

他にも興味深いことが沢山載っていた。

考えをしばらく寝かせることとか、考えを忘却すること、

ホメテヤラネバもおもしろい、ことわざのことはなるほどと。

忘却に関しては、睡眠により頭の中身が整理され、余分なことを忘れるため、

朝が思考にいいわけといいということが印象的。

人間は、倉庫でなく知的な工場である。

朝目覚めて、元ビートルズのポール・マッカトニーは

「イエスタディ」のメロディが浮かんだという。

音楽に関しては、もっと不可解なものでも良いと思うが、

なるほどと思い、イエスタデイのエピソードが頭をよぎった。

この本は1986年発売、初めて世に出たのは1983年という。

最後にコンピューターが現れて、人間はどう変化するかと危惧している。

そういうことを考えると論文でもできそうなのだけど、

できないのでなく、やらないということが僕のダメなとこかなと思った。

これもコンピューター社会の弊害かな。

だって、ネットを調べたりなど、簡単に物事を調べられるようになった。

自分で考えるということは、重要だと思う。

でも、まずそこに至るまでが、現代では難しい。