『クラインの壷』 岡嶋二人

クラインの壷 (新潮文庫) クラインの壷

1989年に作られたのに、ゲームのバーチャル世界を描いた物語。

今でこそ、仮想世界なんて珍しくないんだけど、マトリックスとかね。

当時はファミコンスーファミか。

そんな時代に思いついただけでもスゴイ。

ちなみに、僕のゲームでの仮想世界での思いでは、

デビルサマナーソウルハッカーズ

設定だけでも見物だけど、物語がこれまた面白い。

そして、奇妙で不気味。

ラストは予想外ではなかったものの、

主人公に感情移入してしまったため、かなりの衝撃。

そこまで読み進めてしまうと、もう何が現実で何がバーチャルなのか、

その境目がわからない。

このラストから2つの解釈ができる。

その2つの解釈で、続編が2つできるほど。

ただ、これが作者の最後の作品ということもあり、

もう20年も前の作品なので、それは思うだけ無駄なこと。

SFで、ミステリで、サスペンス。

つまりは、奇妙な物語だった。