『三四郎はそれから門を出た』 三浦しをん

三四郎はそれから門を出た 三四郎はそれから門を出た

最近めっきり小説を読む量が減ってしまった。

でも、雑誌とか漫画は毎日、毎日。

やっぱり僕は本が好き。

昨日は、仕事帰りに本屋で小一時間。

今日は休みだったので、一人でファミレスに本を持っていき、

はい一冊読了。それがこの本。

その後はブックオフで、まだ読んでない本が家で呼んでいるのに、

やっぱり買ってしまう。

本が好きで、やめようたってやめられない。

というか、やめようなんて思えない。

そんな本好きに、わかるわかる。いや、それはない。

世の中の流行? 何それ? 今読んでる本よりおもしろい?

とりあえず、一人身の本好きの自我が、なんとか保たれるようなエッセイだった。

憧れないようで、憧れる。

三浦しをんさんのエッセイ集『三四郎はそれから門を出た』

作者は、読書と妄想と、あとちょっとその他で生きているかのように感じてしまった。

その他のことも、家族の話とか、何気ない日常が面白いけど、

やっぱり本に関することが、面白い。

本への真っ直ぐのような、歪んだような、

とにかく情熱が感じられる。本に向かって思いが爆走しているように感じた。

そういう思いは憧れる。いや他の諸事情も考えると憧れないか。

でも、いいよなと思えてしまう。

本を読むだけが人生じゃない。

そうだけど、本を読むことが楽しみというか、

空気を吸うと同意義になってしまっている活字中毒者に捧げられたようで、

作者が自分で自分を救っているかのような、

たくさんの本への愛を唄っているエッセイだった。

その唄は美しくないかもしれないけど、心をぎゅっと掴んで止まない。

とか思うのだけど、僕の好きな部分は弟とのくだりのところ。

というのも、僕にも弟がいて、まったく同じような気持ちだから。

弟の冷ややかでいて、たまにうざったい態度も似ているし。

耐え難く変えがたい。

そんな弟の話題も面白いし、もちろん本に関することも面白い。

色々な本の話があるし、本屋のことや、本のしおりのことも。

小説に漫画に妄想に家族に旅行記にファッションに。

色んなところを楽しくつまめる、作者的に言うと

幕の内弁当のような作品だった。

あと、本の装丁好きです。