『ほんわか! 本についてわからないこと、ねほりはほり!』北尾トロ

ほんわか! 本についてわからないこと、ねほりはほり!(MF文庫ダ・ヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)ほんわか! 本についてわからないこと、ねほりはほり!

バレンタインの真昼間にブログです。

そこのところは、お察し下さい。

まあ僕は、好きな本のことを語っているから幸せです…と、精一杯の強がり。

さすがこんな日に、どっか行こうとも思えないし、

ブログが完全停滞気味なので、久しぶりに。

ダ・ヴィンチで連載されている北尾さんの、ルポルタージュ

本好きの血が騒いでしょうがないかのよう。

この人は、本好きならわかるわかるの本好き。読んでいて感じる。

それが特別すごいってわけじゃなく、普通なのだ。

本好きなら、本当によくわかる普通の人だ。

ただ違うのは、その行動力。

本の疑問を、本への興味心までは、ごく普通なのだが、

その後、それをとりあえず体を張って調べてしまうことに、

この本の魅力が、凝縮されている。

170本もの連載から厳選して収録されているだけに、

どれもこれも、面白い。

読書好きはモテるのか?

どうしても欲しい絶版本をどうやって手に入れるかといった、

よくありがちな事柄から、

処分された本の末路はどうなるのか?

車内吊り広告はなぜ乗客の目をクギ付けにするのか!?

といったマニアックなものまで。

処分された本……はあまりマニアックでもないかもしれないが、

それを読んでみると、ゴミ捨て場に捨てた本が、

回収車に持っていかれる前に、持ち帰られるかなんて書いている。

そういえば、僕も捨てられるはずの本をよく救済していたものだ。

特に小学校の頃といえば、廃品回収の時にどんな掘り出しものに会えるか楽しみだった。

その頃は、小説はほとんど読んでいなかったので、もっぱら漫画。

近所のおじさんが、

「ゴミにしようかと思ってたけど、欲しいか?」

と渡してくれた、スラムダンクやH2。いい思い出。

他にも本まわりの謎に関する調査は、どれも面白い。

真面目でいえて、不真面目でもいるが、その過程が逸品。

中には、震災後の神戸における本の価値といった笑えるだけでないものから、

もはや、本とほとんど関係がないが、

歩き関する本が増えている中、

お通路が流行っているということで、お通路を実際してみましたなことまで。

読んでいるだけじゃまだまだだ。

書を捨てよ、町へ出よう。

そんな言葉が浮かんでくる一冊だった。