『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫) イニシエーション・ラブ

恋愛小説は苦手なんだけど、これは見事なミステリー。

もちろん恋愛小説としても読めるけど、

最後の2行を読むと恐怖感じるミステリーに早変わり。

読んでいく最中で感じていた違和感が、

はっきりとした回答となって返答されたことで、

やっぱりなという感じと、物語の恐ろしさが同時にやってくる。

答え合わせというわけだけでないが、

もう一度読みたくなるような話だった。

タイトルにもなっている、

イニシエーション・ラブ通過儀礼

としての恋愛というのは印象に残る。

普通の切ない恋愛小説としても良くできたいたし、

というより、恋愛小説として面白かった。

でも、すごいところはそれだけで終わらせないところ。

恋愛はわからない。

それと、僕が静岡生まれなので、

静岡が舞台だったのがうれしかった。やっぱ静岡はいいな。