『風に舞いあがるビニールシート』 森絵都

風に舞いあがるビニールシート風に舞いあがるビニールシート

最近は短編といっても、どこか繋がっているものばかり読んでいたし、

そういうものが僕は好きだった。

今回は、まったく繋がっていない短編集。

だけど一話一話、とても丁寧でいて、

とても凝縮されているというイメージを受けた。

6話全てが、とても満足できて満ち足りた気分になれた。

特に「守護神」「ジェネレーションX」は、かなり好き。

表題の「風に舞いあがるビニールシート」は

一番重たい話だったけど、読み終わった後は、

何故かスッキリとした爽快感。

おもしろいというのもあるけど、

とても上手に作られているということを強く思った。

よくよく思い返すと、最近は男性作家の本ばかり読んでいたからか

女性の視点というものが、やっぱり何か男と違うなとも思えた。

鮮やかではあるけど、男性の持たないような生々しい女性観を感じた。

でもやっぱり、男が主人公の上の挙げた2話が好きなんだよな。

もちろん女性が主役の話も、とても満足できたのだけど。

そういえばこの本は、直木賞ですね。

もう一つの、三浦しをんさんの本も、読んでみたいです。