『ぼくと未来屋の夏』 はねやまかおる
すごく懐かしい気分になった話でした。
幼い頃読んだ、ジュブナイル小説やゲームのような本
テレビの天才テレビ君を見ていた頃の自分が感じていた
当たり前の日常の中に潜む、やわらかい日差しのような温かい非日常。
かつて子どもだったあなたと少年少女のための
というミステリーランドシリーズ。
小学校の夏休みに、主人公の前に現れたのは、未来を売るという未来屋。
僕らは、子供の頃は不思議なことに憧れていた。
そして楽しいことに。
この本には、不思議なこと(ミステリー)
そして、楽しいこと(冒険)がたくさん詰まっている。
なんだかんだ文句を言いながらも、
絶対に忘れることのないような、ひと夏の素晴らしい物語。
かって子どもだったあなたというだけあって、
僕にも十分楽しめました。
100円で確実な未来だけを売るという未来屋、猫柳さん。
彼だけでも、不思議な存在です。
そして、不思議な出来事が絡み合っているのだけど、
ファンタジーではなく、ミステリー。
真実がそこには存在してるけど、はっきりしてないこともたくさんある。
だけど、こうしてわからない謎を残してあることが、
とってもジュブナイルな感じを受けて、いい余韻で終われた。
今は冬のど真ん中にあたるので、ちょっと季節違いだけど
やっぱりこういう冒険は、夏が相応しい。
夏の真っただ中に、読書感想文にも良いような、少年少女のための
そして、かつて子どもだった僕らのための夢のような話だった。