『東京バンドワゴン』 小路幸也

東京バンドワゴン

明治から続いている下町古書店東京バンドワゴン

そこを舞台とする、おかしな四世代の大家族の物語。

ついでに、最近ではカフェもやっていますで、

古書だけでなく、おかしな事件まで

引き受けているというか、呼び込んでいる。

古書店を舞台にするというと、

芳崎せいむさんの漫画の『金魚屋古書店』を思い浮かべた。

金魚屋も、ほのぼのできる話だが、

こっちのほのぼのは意味が違う。

大家族や、その周辺の人々が、

ギャーギャー言いながらも、いい感じにまとまっていて、

良きホームドラマというほのぼのだ。

ちなみに、この大家族は、勘一に、

その息子60歳ロッカー我南人。

我南人の長女・藍子(未婚の母)に娘の花陽。

長男・紺に、その妻の亜美に、2人の息子の研人。

次男・青(我南人の愛人の子)

この人は俳優でいうと、コレねと、

勝手な妄想も、おもしろく一冊で2度美味しい。

色々感想記事見て、同じ意見なかったんだけど

我南人には、清志朗をイメージしてしまうんだよな~。

得に、背が高くもないし、金髪でもないのだけど。

そして多かったのが、内田裕也さん。

おお確かに、それっぽい。

ただ、あまり僕は知らない人なので…

まあ、妄想は、それくらいにしといて本編に。

語り部は、古書店主の堀田勘一の死んだ女房、サチ。

サチが、死人らしからず、

ハラハラしたり、笑ったり、実に人間味溢れた始点で

春夏秋冬と、影ながら家族を見守っている。

そんなサチの心配など、どこ吹く風かと

家族は、妙な事件に巻き込まれたり、巻き込んだり。

とにかく、この本は家族の話で、人情味溢れるホームドラマ

事件も、凄惨なものはなく、大きなものでもないが、

解決した後、少し優しい気分になれる。

そして物語で、印象的だったのは、食事のシーンで、

そこから全て物語れる気もする。

わいわいがやがや、とにかく楽しく。

いってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえり。

騒々しいが、それが心地よい。

う~ん、LOVEだねぇ。