『LOVE』 古川日出男
これは、かなり好き嫌いがわかれそうだな。
という僕は嫌いではない。
僕は群像劇が好きなのだ。
文章も、ちょっと間違えば
いきがっているだけの、くどい文章になるがちだけど
いかしてるぜって言いたくなる、
スタイリッシュな文章で、虜になりそう。
だけども、僕は嫌いでないどまりだった。
これは、ある意味、感覚的に読むといってもいい話で
僕には、それを感じ取る力がなかったのかもしれない。
作者の感性には驚かされるものもあるが
肌に合わない所もたびたび。
物語は、4つの話に別れているのだが
上手くついていけたのは、2つめの話くらい。
あとは少し、置いていかれてしまった。
東京という、人との繋がりが疎遠という
パブリックイメージがある街を舞台に
人物たちの繋がりが、強くはないが
確実にどこかで、交わりあっているというものは
なかなか堪能できた。ついでに猫も。
街の描写が多かったのだが、
僕が東京という街に関して無知なところもあり
東京というより、どこかにあるを舞台にある世界。
小宇宙的な広がりを持つというような、そんな世界を夢想した。
そんな世界に猫も連れて行こうって、気分になった。