『ブラフマンの埋葬』 小川洋子

名前が存在してるのが、ブラフマンというペットのみという、 何とも不思議な話。 不思議と言っても、物語自体は不思議でないし、さほど珍しくも無い。 この小説は、ブラフマンというペットを愛せるかが、キモだろう。 静かな流れの中で、たんたんと僕(主人公)の視点で語られる、ブラフマンと僕の夏の記録。 どことなくネズミの「アルジャーノン」を思い出した。賢いし。 個人的に、無口な碑文彫刻師のさりげないやさしさが、好きだ。 ブラフマンは、結局何という動物だったんだろう? 何の動物かわかんないのに、このブラフマンには愛着が持てた。
ブラフマンBrahman)は、ヒンドゥー教またはインド哲学における宇宙の根本原理。 Great indeed are the Gods who have sprung out of Brahman. ― Atharva Veda 偉大な事実は、ブラブマンの中から湧き出て来た神々である。 ― アタルヴァ・ヴェーダ
ブラフマンは、僕に何をもたらしたのか? ひと夏の思い出、友情、その他にも何か意味があるのだろうか? 文学っぽい作品なので、作者も意図することがあるんだろうか? ブラフマンとは、この普通と違う空間で生活している、 僕にとっての唯一の現実? ああ~何に言ってるかよくわかんなくなったよ。とりあえず読んでみて。 第一回の本屋大賞『博士の愛した公式』の作者の作品です。
ブラフマンの埋葬
ブラフマンの埋葬
posted with amazlet on 06.11.14
小川 洋子
講談社
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