『NANAMI 終わりなき旅』 名波浩

NANAMI 終わりなき旅 NANAMI 終わりなき旅

勝手に決めたサッカー関連強化週間も今日で終了。

最後は、僕の好きなサッカーチーム、ジュビロ磐田関連で。

最初は、松森本でいこうかと思っいましたが、W杯の余韻がまだ残る内に、

名波浩が自ら書いた自伝的本、あのフランスのW杯予選の苦しみも、

赤裸々に綴ったこの本でいきましょう。

今の代表チームは、あの時ほど苦しまなかったんじゃないかと思う。

イラン以外負けないし、引き分けもない。

まあ、見てる側から見れば、安心なんだけど。

逆にフランスの時は、すっげーガキながらも、

ホントに行けるのか?って思っていた。

ホントに劇的でしたね、ホントに。

話が脱線しましたな、本の話に戻りましょうか。

この本は5章に別れ、自分のサッカー人生を振り返っている

第1章 海外移籍へのスタンス

第2章 静岡

第3章 ベネチアの光と影

第4章 最初で最後のW杯

第5章 終わりなき旅

サッカー以外のことも、書いてあり一人の人間、

名波浩を感じることができる。

幼いころジャイアンだったとか、自分の性格が好きでないこと

生まれた町が好きだったこと、サッカーのおかげで人と付き合えること、

そして名波のサッカーの哲学。

名波浩というサッカー選手の、

左足から放たれる哲学が文に滲みでてくる。

実際の名波のプレーを見れば、ますますそれがわかる。

膝の怪我以降、以前のようなパフォーマンスは見られなくなったけど、

このサッカー哲学と、残っている力で、まだやってくれるはず。

最高のパートナー、名波が「大トロ」と例える、

藤田俊哉ジュビロから去っても。

名波は、よく自らを「醤油」と例える。

醤油は、素材を引き立てるのが役目。

他の選手の良さを引き出してほしい。

アシストのためのパスが好きと言う名波らしい、考えだ。

名波はこの本の中でこう日本代表を述べてい。

決して日本で最もうまい十一人ではないけど、

日本を代表する十一人なのだ

ジーコジャパンも、選手起用について、あれこれ言われているけど、

間違いなく、日本を代表している選手達なのだ。

そして名波の、チームについての哲学は

和のあるチームが強い、

家族になっているチームが絶対に強いのだ

現在のジーコジャパンの強さの秘訣でもあるんだと思う。

ファミリーとも例えられる、今の日本代表。

名波が2000年にMVPにも輝いた、アジアカップ

2004年のアジアカップ以来、

このチームはファミリーになったんだろう。

そして、敵なしだった昔のジュビロの強さでもあるのだと思う。

とりわけ5章の終わりなき旅は、注目でした。

代表の魂や、誇り、名誉、そして重み。

そしてそれを、自分が上の世代、カズや中山、柱谷から受け継いでいき、

それを下の世代に伝えなければいけない。

感じてもらわなければいけないということ。

それに、「サッカーを楽しみたい」という純粋な思い。

この2つは、とても印象的だった。

代表としての重み、今の代表も感じているものであればいいと思う。

そして、サッカーを楽しむ。

仕事であるので、楽しくない人もいるかもしれない。

でも、みんな好きで始めたサッカーだと思うし、

嫌いでは、大人に、プロになってまでサッカーをやらないと思っている。

サッカーを楽しむ、素人の僕らは、サッカーをするだけで楽しいけど、

プロは、代表は、もう何十年もサッカーをしてる人達ばかりですし、

怪我もするし、きついし、非難も浴びる。

でも、楽しめたら、それは素晴らしいことなんだと思う。

最後に、この本のタイトルからも連想できる、

「終わりなき旅」という曲を作った

ミスチルことMr.Children桜井和寿さんが、あとがきを書いてくれている。

桜井さんは、名波がイタリアに行く際「I'll be」

という応援歌を作ってくれるほど、親交が深い人です。

ちなみにジュビロ内でも、ミスチルのファンは多いみたい。

桜井さんは、あとがきでこう語っている。

確か帯にもなってた気もするけど、

これを最後に、どうしても紹介しておきたい。

優れたプレーは、雄弁に歌われる愛の唄なんかより、

遥かに強い影響力を持っていて、

深い深い意識の底に居座り、僕を動かす