『Q.O.L』 小路幸也

Q.O.L.  Q.O.L

ほのぼのとしてるようで、ちょっとクールに。

男2人と女1人の共同生活。

ちょっとした、ひとにやさしく。

そんな、彼らには消し去りたいような過去を背負っている。

そしてあるきっかけから、復讐を考える。

復讐なんかより大事なことがあるとよく言うけれど、

復讐にとらわれた人には届かない。

そんなものにとらわれているように思えない人ほど、

心の中では、渦巻いているものがあるとも思える。

復讐というありふれたテーマ。

憎しみという負の感情。

そういったものを、ちょっと変わった手法で取り上げてみよう。

そんな意気込みが、感じられる話だった。

とはいえ、この話は別に復讐にとらわれた人の話ではない。

ちゃんと過去でなく、現実を見ているし、

悲しみとか憎しみに支配されているわけでもない。

だけど、復讐に至るまでには、それなりの出来事が、

ドラマが、トラウマがあったということなんだろう。

それは、たぶん消えることなんかないだろうから、

ちょっとした、きっかけで恨みを晴らしたくなるのかもしれない。

難しく考え出すと、結局全部が嫌になるかもしれないけど、

ちゃんと考える必要があるんだろう。

だからといって、ゴチャゴチャ考えると、生きるのが辛くなりそう。

シンプルなのが一番良い。

まあ、前に進める、色々あったけど生きていけるさと。

そうやって割り切れる生き方なら、なかなかに良さそうだ。

でも、忘れられるはずもないから、人間って難しい。