『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎
現実的な物語もいいが、少し謎めいたほうが好きだ。
ここは、不思議な島。ずっと鎖国されている、小さな孤島。
ミステリーだが、ファンタジー、そして文学的、
普通のやつもいれば、風変わりなやつもいて、
絶対ありえないようなのもいる。
かかしは知る、未来の世界を、
かかしは語る、周りの小さな世界のために
そして、かかしは祈る、オーデュボンのように。
だが、そんなかかしも、殺されてしまう。
未来見えるのに何故、防げなかったのか?何故、死を伝えなかったのか?
そして、この島に欠けているものとは、何か?
この2つが、作者の送る、大きな命題だ。
それを、見つけるために物語は、小気味よい速度で、進んでいく。
この島は、普通じゃない。だが、愛するに値する島だ。
そんな小さな世界で生きる、人々とかかしと
よそからやってきた「僕」の話。