『死神の精度』 伊坂幸太郎
死神の視点を通して語られる生と死の重さ、もしくは軽さ。
定義があるようで、なく、ないようで、ある。
あいかわらずよくわからないが、そこが魅力なのかもしれない。
曖昧なところが。
誤りと嘘に大した違いはない
微妙な嘘は、ほとんど誤りに近い
いちおう推理物なので、嘘をつくやつは、出てくる。
誤りを語る人物もいる、それは大した違いがない。
結局、真実ではないから。
でも人間は、そんなもんだよね。嘘もつくし、誤ることもある。
今回も、伊坂作品の特徴である、
以前出したキャラをなんらかの形で使う技法がとられた。
そこが、もう僕はうれしくて、うれしくて。
『死神対老女』は、このおかげで、ラストをすばらしくを締めれたと思う。
死神の大好きなミュージック。
個人的にストーンズの「ロックス・オフ」が出されたのがうれしい。
この曲すごい好きなの、僕も。
それと、人間の普通がよくわかってない死神の、
ちょっとしたことへの対応がおもしろい。
この辺も、死神が憎めない理由かな。
基本的に仕事を真面目にやっているのだが、
どこか適当そうであり、ちょっとズレてる。
そんな死神の6つの物語を、読んで見てはいかが?
そして、そろそろこの作者の書き下ろし作品が読みたい。