『死神の精度』 伊坂幸太郎

死神の精度 死神の精度

死神の視点を通して語られる生と死の重さ、もしくは軽さ。

定義があるようで、なく、ないようで、ある。

あいかわらずよくわからないが、そこが魅力なのかもしれない。

曖昧なところが。

斬魄刀デスノートも持ってない、死神が主人公の短編6作。

誤りと嘘に大した違いはない

微妙な嘘は、ほとんど誤りに近い

いちおう推理物なので、嘘をつくやつは、出てくる。

誤りを語る人物もいる、それは大した違いがない。

結局、真実ではないから。

でも人間は、そんなもんだよね。嘘もつくし、誤ることもある。

今回も、伊坂作品の特徴である、

以前出したキャラをなんらかの形で使う技法がとられた。

そこが、もう僕はうれしくて、うれしくて。

『死神対老女』は、このおかげで、ラストをすばらしくを締めれたと思う。

死神の大好きなミュージック。

個人的にストーンズの「ロックス・オフ」が出されたのがうれしい。

この曲すごい好きなの、僕も。

それと、人間の普通がよくわかってない死神の、

ちょっとしたことへの対応がおもしろい。

この辺も、死神が憎めない理由かな。

基本的に仕事を真面目にやっているのだが、

どこか適当そうであり、ちょっとズレてる。

そんな死神の6つの物語を、読んで見てはいかが?

そして、そろそろこの作者の書き下ろし作品が読みたい。