『晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)』 大崎梢

晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編>

『配達あかずきん』という作者の前作の続編。

前作は短編方式で、本屋のありふれた日常や、そこに関わる謎、

また、もの珍しい本屋に関わる不思議や事件を扱っていたが、

今回は、長編で前作より、ミステリーらしいミステリー。

でも、どちらかというと前作のほうが好みではある。

それは僕が、このシリーズには本屋であるということを

もっと魅せて欲しかったからだ。

この続編の『サイン会はいかが?』も読み途中で、

というか、もうあとほんの少しで読了だけど、

その3作目も、本屋を主人公としたといっていいくらい、

本屋を表に出しているので、そこがたまらなく好き。

とはいえ、普通のミステリーとしては、おもしろい。

本屋のことも、たくさん書いているのだけど、

どうしても事件のことばかりに目が奪われて、

本屋であるということを、忘れそうになってしまった。

でも、本屋の部分が出てくると、すごい興味津々になり、

本屋好き、本好きの人物の本に関する考えを読むと、

ものすごいそれわかる!

と、やっぱり今回も本屋好きにはうれしい作品だった。