『有頂天家族』 森見登美彦
ぽんぽこ?とジブリ映画を思い出させられてしまう。
それもそのはず、だってこれは狸の話。
それにしても森見さんにの作品の大体に当てはまるのだけど、
今回の作品も、思うことがある。
それは、真面目にふざけているということ。
登場人物に狸が多いのだから、なおさら思ってしまった。
ほんわかとして、ふざけている話なんだけど、
けっこうエグイ部分もある。
自然の摂理ってつらい、人間(動物)関係ってつらい。
それでも、
面白きことは良きことなり!
そんな精神は、森見さんの精神なんじゃないかと思える。
文体から真面目な感じがひしひしと受けるのだけど、
どこかふざけている気がする。
おもしろくしてやろうってイメージがある。
狸と天狗と人間。
それが、この小説の登場キャラクター。
三つ巴の化かし合い合戦。
ちょっぴり泣けて、いっぱい笑える。
そしてやっぱり森見さんらしく最後は、大暴走。
狸の世界のホームドラマだけど、
普通の人間のドラマと同じくらいのものに感じられた。