『塩の街』 有川 浩
昔に、同作者のデビュー作として
電撃文庫で出されていたものの、増改訂版でハードカバー。
文庫版は読んでいないので、
よくわからないが、リメイクみたいなもの?
その文庫に関しては、本屋のバイトしてたころ、
仕入れてみたのに、他のパートさんに、
あっさり返品されてしまったという、過去のあるkakasiです。
電撃文庫らしい、キャッチーで魅かれるタイトル。
物語の大筋も、塩味の効いた、ピリっとする物語。
でも、甘いラブストーリーでもあるという甘辛さ。
僕としては、ラブストーリもいいけれど、人との出会いが印象的。
その場限りの出会いも、ずっと関係が続く出会いも、
それぞれの出会いが、人の心に強く残っている。
人間が、塩の結晶に変わってしまう「塩害」に見舞われる、
人が簡単に亡くなってしまう世界だからこそ、
小さな出会いが、人との関わりが強く心に残った。
そして、出会いによる成長。
悲惨な世の中でも、強い意志を持つということ。
人を愛するということ。
笑い合えているということ。
幾多の困難は、人を強く成長させていく。
できれば、困難なんてないほうが楽に暮らせていいのだけど、
そう言ってばかりもいられないなぁと、最近よく思う。
でも、平和が一番です。