『GO』 金城一紀

GO GO

2、3年前の高校生だったころ映画はみたことあるんだけど、

小説は未読でした。

映画も、うろ覚えになってきているので、ホントにな~んとな~く購入。

で、感想は、これすごいおもしろい!

在日の問題、いや人種という深い問題なのに、

軽く、ポップで読みやすい文体でノリやすく書いてあるので、

非常に読みやすい。

でも、なんだかんだ書いていることは、非常に重いテーマ。

文体と主人公の性格のおかげで、だいぶポップになってるけど

今まさに考えなきゃいけない問題だと思う。

あと作者が映画好きってことがよくわかる。

多くの映画のタイトルや引用がよくあるので。

そういえばなんかの雑誌で読んだけど、

毎日映画か、本を1つ見ていたと言っていた気がする。

「いつか俺が国境線を消してやるよ」
キザでいてカッコよくて、そしてクサイセリフだ。

でも杉原ならにあいそう。

作者の好きな、映画スターのような彼になら似合いそう。

名前って何?人種って何?国って何?

色んなことを偉い奴らに決められて、囲いの中の鳥のようになっても

俺は俺だ。全て関係ない!っていう強い意志を感じる。

No soy coreano, ni soy japones, yo soy desarraigado

(俺は朝鮮人でも、日本人でもない、ただの根無し草だ)

世の中で色んな人種の人、

特に他の国で生きる人々や、低い身分の人が苦しんでいる。

ただ、普通にそれを気付かないことのほうが多い。

あくまでブラウン管ごしのことだ。

だから、特別在日の人などに合った時言えることはない。

大変だねとか、辛いねとか、がんばれとか、

そんな同情はいらないだろうし。

そんなこと言わなくても、強い意志で進むだろう。

ダメなやつは、国に食い散らされるだけかもしれない。

だから進むしかない。そしてそれは、みんな同じ。

在日などの問題は、思っている以上に重い。

だからといって、やりたい放題させたら、大変なことが起きる、

でも、それを押さえ込めても何の解決にもならない。

それでも、彼らは進むしかない。僕らも進むしかない。

「GO!」そしてどこへ行くのだろう。