『魍魎の匣』 京極夏彦

魍魎の匣 魍魎の匣 

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」第二弾。

ワトソン関口、動かないホームズ京極堂と愉快な仲間達シリーズ。

ハードカバーで読んだので、なんと一〇四八ページの超大作。

七〇〇ページくらいまで読み、あと三〇〇ページか、あと少しだなと、

普通の単行本1冊くらい残ってるはずなのに思えてしまう、不思議作。

物語は、一転、二転、三転と、ころころ変化し、本当に先が読めない。

長い話なので、中たるみするかと思いきや、そんなことはない。

だらだら物語が続かない代わりに、永遠とした解説が入る。

意外とタメになるんだよ、いやホントの話。

宗教、オカルト、手品、超能力者、預言者の話とかね。

「うぶめ」でも思ったが、やっぱり語り手の関口が一番よくわからない。

ホントわからん。なんなのでしょうね、彼は

いままで京極さんの小説は、長いし、結局妖怪なんだろ。

と思ってたので敬遠してたけど、

やはり、これは読んでみたほうがいい。

妖怪も、それほど色濃く小説に現われてない。

タイトルだけみると、モロ妖怪小説だけど、

推理小説だ。正真正銘の。

安易に妖怪が取り付いたからとか、

妖怪のせいで犯罪をしたという小説ではない。

でも、妖怪は物語において、かなりの中枢にあたる。

やっぱり妖怪小説だ。そしてそれがおもしろい。