『風に吹かれている場合じゃない』 黒田としひろ
なんだか泣けてくる、おもわず泣けてくる
ブログを書き始めた瞬間、
CMから流れてきたのはウルフルズの「泣けてくる」
最近この曲には、胸を締め付けられるような気分にさせられる。
そんなウルフルズ、ライブは5人だが、基本は4人のバンド。
でも一時期、3人組みのバンドでもあった。4→3→4との経緯。
ウルフルズには、一度辞めて、また戻ってきたベーシストがいる。
ジョン・B・チョッパーこと、黒田としひろ。
この本は、その彼の空白の4年の記録。
いや、黒田としひろという人間の、日常だ。
元ミュージシャンだけど、だからどうだというエッセイではない。
でも毎回、古今東西の音楽についても触れているところに、
元ミュージシャンの名残が見える。
後半、ウルフルズ復帰ということが固まってきたからか、
ウルフルズに関しても書いてあることが、嬉しい。
だといって、全体的にウルフルズのことを押し出した文章ではなく、
あくまで黒田としひろの、日常エッセイになっている。
とにかく毎日が恐ろしいほどに暇だった
特別何かあるわけでもない。ごく平凡な日記。
でも復帰直後の、メディアでの発言とか、
ウルフルズの連載ブログ『芸の花道』を読んでいると、
ジョンBがすごく悩んでいたことが、よくわかる。
そして、復帰することでの喜びというか、吹っ切れ。
風にふかれている場合じゃないと。
だからか、胸を打つものがある。
今思うと「ウルフルズ」が好きだから良いのだ。
悩むことではないし、「悩むこと」
なんてなにもない――――
あとがきに、こんな言葉があった。
メインとなるエッセイ部分で、ウルフルズ脱退・復帰に関しては、
ほとんど触れていない。
あとがきで、ようやく書いてあるくらい。
エッセイなのだけど、やっぱりウルフルズファンには、
このあとがきが一番印象強い。
ジョンBからしてみれば、そんなもんなのかなと思うかもしれないが、
結局のところ、ファン、
そしてウルフルズのベーシスト黒田としひろも、
ウルフルズが大好きなのだということが、よくわかった。
そうそう、明日は僕の大学の卒業式だ。
もう学生では無くなる。
それこそ、風に吹かれている場合じゃない。
やってやるぞ。