「DEATH NOTE デスノート the Last name」

DEATH NOTE デスノート the Last nameDEATH NOTE デスノート the Last name

ある意味予定調和だった、前編から、予測がつかなくなった後編突入。

Lが死んで、その意思を次ぐものに人物が変わる原作と違い、

最後まで月とLの対決に、手に汗握るとはこのこと。

死神のノートに、最後名前が書かれるのは誰?

やっぱり、前編見たら、後編も見なければウソってもの。

それに化かし合いは、結末がわからないから面白い。

そういう意味で、今回は前作以上に楽しめた。

原作関係なしに、映画としてのデスノートの結末。

ラストは緊迫して、もうドキドキものだった。

この手で来たのかと。

映画は面白かった。

テンポも良いし、演じる人も良かった。

ストーリーも良かった。何よりテーマが良かった。

でも、それはやっぱり原作が良かったということでもあるわけで、

原作物の映画に付きまとう宿命っていうこと。

前作ではLの松山ケンイチばかりに目が行っていたけど、

今回では月の藤原竜也も圧巻だった。

そして鹿賀丈史の月の親父さんは、本当に偉いお父さんだ。

世の中矛盾だらけだ。

月が放つ言葉は、胸にずしんと来た。

でも、そんな世界で正しく生きようとしている人間。

捨てたものじゃないはずだけど、やりきれない部分もある。

最後まで、自分の正義を貫いた月は、立派だと思う。

なかなか、そんなことできたものじゃない。

でも、やっぱり急ぎすぎたとも思える。天才だからか、達観しすぎている。

頭が良いから、悩みすぎている。

だったら、僕は小市民で良い。

でもね、やり方は幼稚で、単なる殺人者だというのには同意。

革命だとか、人を良い方向に導くとか、

本物の歴史から見ても、正しくも取れるけど、

それを決めるのは、後に生きる人なんだろう、やっぱり。

この辺りは、僕には答えは出ない。

でも、殺しが行われたなら、どんな理由であれ、

ただの殺人者だと思う。

人が人を裁くなんて納得できない。

死神が裁いているとしても、逆らいたくはなるかな。

とはいっても、許されるべきでない人もいると思うのだけど。

やっぱり、僕も矛盾だらけだ。

こういう話だと、正しいと思ったことに向かって精一杯生きる、

そんなことさえ、信じにくい。

やっぱりわからないなぁ。でも、だから人間って面白い。

答えがわからないから、悩みながらも生きていくんだろう。