『悪の教典(上・下)』 貴志 祐介
貴志さんの本は、『硝子のハンマー』『新世界より』の2作は読んだことがある。
そういえば、貴志さん好きだった大学時代の友達は今何してるんだろう。
大学時代の友達と今も連絡とったり、会ったりしているのは
3人くらいしかいないので、すごい懐かしい感じ。
もう、完全社会人で、アラサーなわけなのだから。
アラサーって言葉が自分に当てはまるなんて、
学生時代からは考えられない不思議。
でも、進級試験受かったから、まあ良いかな。
いつでも前を向いて行きたいのです。
そんな社会人な自分ですが、まだまだくそったれな部分も多くて、
仕事でいえば、リーダーシップにしろ、利益関連の数字にしろ、
まだまだまだまだ……と上司からネチられるのだけども、
この作品の主人公は、真逆な完璧人間。
職業は高校の教師で、序盤こそは教師という立場に納得できるけど
徐々になんでこの人が教師をやっているのだろうと思えるほどの
技能の高さに驚くとともに、
タイトルにもある『悪』という二文字に戦慄する。
冒頭から出てくるカラスのメタファーに気になりながら
徐々に、何かおかしいぞと主人公を疑い、
最後には地獄絵図のようあラストに持っていく力量はすごいというか
何でそう思考回路になるのだろうと感じる。
思考回路はショート寸前というより、
一般人とは違う物事の線引きであることが何より恐ろしい。
でもキチンとエンターテイメントとして楽しめるので
嫌悪感の先にある面白さみたいなものを感じられたと言ったら、
自分もおかしな人間なんだろうかと感じてしまった。