読書 「クラフト・エヴィング商會」

『百鼠』 吉田篤弘

百鼠 相変わらず、生活感があるのに幻想的な物語を書いている。 吉田篤弘=クラフトエヴィング商會。 おかしな話ばかり作っているのに、読む側の期待を裏切らない、 温かみのある話を提供してくれる。 この本は3つの短編の形式をとっているけど、 変わって…

『78』 吉田篤弘

78 自分の頭の中のものを、文章にするってことは誰にでもできるのだろうけど、 それを商売にしてしまう人のことを僕は尊敬する。素晴らしい才能だ。 そういうことを本人に言うと、才能なんかじゃないよ なんて答えるかもしれないが、立派な才能だ。 僕なん…

『つむじ風食堂の夜』 吉田篤弘

つむじ風食堂の夜 今日はとても風の強い一日で、 仕事場の社員出口には、とても冷たい風が吹いていた。 外はすっかり暗くなっていて、身も心も冷たい。 そのはずなんだけど、地面に落ちている落ち葉が、 クルクルと風に巻かれて、みごとなつむじを。 つむじ…

『らくだこぶ書房21世紀古書目録』 クラフト・エヴィング商會

らくだこぶ書房21世紀古書目録 タイトルに目録とあるけど、目録ではない。 でも、目録なのだ。 ん?それはどういうこと? つまりは、わけのわからない不思議な本なのだ。 それこそ、わけのわからない不思議なことを言っているように思えるが、 クラフト・エ…

『フィンガーボウルの話のつづき』 吉田篤弘

フィンガーボウルの話のつづき 僕は、フィンガーボウルなど使ったことが無く、 フィンガーボウルと言われると、 ピューと吹くジャガーで使われたネタばかりを思い出す、 わかる人には、わかる的なネタを使うkakasiです。 「世界の果てにある食堂」の話をかき…

『世界でいちばん幸せな屋上 Bolero』 吉田音

世界でいちばん幸せな屋上 Bolero―ミルリトン探偵局シリーズ〈2〉 本を読んでいる時間が、たまらなく楽しいひと時だった。 ゲラゲラ笑える話ではなく、クスっと笑えて、いい余韻に浸れる。 ふわふわとした高揚感。 人生を根底から変えるような、すごい物語で…

『夜に猫が身をひそめるところ Think』 吉田音

Think―ミルリトン探偵局シリーズ〈1〉" style="border: none;" />夜に猫が身をひそめるところ Think―ミルリトン探偵局シリーズ〈1〉" どこまでも謎を解かないミステリー・ノヴェルなんともおかしな帯に惹かれたが、 クラフト・エヴィング商會プレゼンツなら…

『アナ・トレントの鞄』 クラフトエヴィング商會

アナ・トレントの鞄 なぜかこの作家の本は、買っておきたいという気にさせられてしまう。 読み終わったら、丁重に本棚にしまって それを眺めながら、ウンと頷いておきたい。 アナ・トレントの鞄は映画「ミツバチのささやき」 の主人公、アナ・トレントの持っ…

『すぐそこにの遠い場所』 クラフト・エヴィング商會

すぐそこの遠い場所 すぐそこであり、最も遠い場所。 それは、人の空想する場所。 一番近くて、一番遠い。 そして帯には 見るたびに中身が変わる 不思議な辞典 もちろん、実際この本を見るたびに中身が変わるなんてありえない。 だけど、これはすべて空想だ…

『テーブルの上のファーブル』 クラフト・エヴィング商會

テーブルの上のファーブル 私のテーブルの上には、宇宙が乗っている。 そんな風に考えれる柔軟な考えができるからこその本だと思う。 雑誌のようで、絵本のようで雑誌でも絵本でもない。 クラフト・エヴィング商会のつくるあたらしい本のスタイル。 amazonレ…

『クラウド・コレクター 雲をつかむような話』クラフト・エヴィング商會

クラウド・コレクター―雲をつかむような話 これは、おすすめです! 問答無用におすすめです!! 丁重に作りこんだ本で、表紙、本文、絵や写真のバランスが素晴らしや。 序盤は、不思議な国に迷い込んだような感じで、戸惑ったけど、 中盤あたりからの物語の…

『ないもの、あります』クラフト・エヴィング商會

ないもの、あります ないもの、あります。 まさに、そのとおりな内容。 よく耳にはするけれど、一度として見たことのないものたち。 ずばり店主は、言います。それはあります! 「左うちわ」「転ばぬ先の杖」「思う壷」「堪忍袋の緒」 「舌鼓」「語り草」な…