2007-01-01から1年間の記事一覧

『さよなら妖精』 米澤穂信

さよなら妖精 哲学的意味がありますか?とりわけ、そんな言葉が胸に響く。 遠い国からやってきた、少女マーヤ。 そして、帰る場所を告げずに、故郷に帰ったマーヤを探すため、 思い出だけを頼りに、居場所を探すための、心の旅路。 時代は、1990年初頭。 彼…

『そこへ届くのは僕たちの声』 小路幸也

そこへ届くのは僕たちの声 これは、やばい。 自分にブログを見直すと、近頃ネガティブさが全開。 一年間勉強してきたものの、試験日が近づいているのに加えて、 自分の学力が、まだまだなせいで、過去にないほどのネガティブ。 今後は、カラ元気前向きに行こ…

『Over Drive』 安田剛士

はっきり言って、この漫画は苦手だ。 絵も、キャラクターも、自転車という題材も 嫌いじゃないし、むしろ好きな部類なのだけど、 ものすごく、胸をしめつけられるような気がして、読んでて苦しい。 序盤こそ、そうでもなかったけど、徐々に重たくなってきて …

『14歳』 千原ジュニア

14歳 リアルよりリアリティな十四才。 お笑いの、千原ジュニアの自伝青春小説。 14歳という言葉は魔法の言葉。 どんな飾った言葉より、美しくて、何かが溢れていて、少し切ない。 僕は、そう思っている。 なんとなくイメージできるようでいて、どれも正解…

「大日本人」

ダウンタウンの松本人志監督作品。 期待していいのか、いかんのか。 でも、興味はいっぱいだったので観てきました。 本格的に映画かと思いきや、 やっぱりコントの世界へまっしぐら。 前半は眠たくて、中盤笑えて、後半、意味不明なカオス。 でも、まっちゃ…

『失われた町』 三崎亜記

失われた町 タイトルに失われたとあるように、 読み終わった後も、ああ~失われてしまったのだなって センチメンタルな気分になった。 だからといって、絶望だけが残る話でもない。 様々な視点、様々な場所から紡がれる「失われた街」を巡る話。 最近読んだ…

「風街ろまん」 はっぴいえんど

風街ろまん 細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂 という4人からなるバンド「はっぴいえんど」 このアルバムは1971年の作品. まだ僕が生まれる前ということで 当然ながら、僕の世代はほとんど知らない。 大滝さんならば、ロンバケの主題歌 「幸せな結末…

『できればムカつかずに生きたい』 田口ランディ

できればムカつかずに生きたい 久しぶりの更新ながら、内容が長いのと、 書いている最中、色々あって全部記事が消えたので、 変なテンションで書てしまい、おかしな文章です。 ちょっと前までは、世の中にムカついていて、 最近では、自分自身にムカついてい…

『失はれる物語』 乙一

この前読んでいた『ZOO』とは打って変わって。 タイトルと表紙から、少し連想できたように、ホラーではなく 儚げで、幻想的で、美しく、ロマンチックに。 この作品も短編集で、 Calling You 失はれる物語 傷 手を握る泥棒の物語 しあわせは子猫のかたち ボク…

『Q.O.L』 小路幸也

Q.O.L ほのぼのとしてるようで、ちょっとクールに。 男2人と女1人の共同生活。 ちょっとした、ひとにやさしく。 そんな、彼らには消し去りたいような過去を背負っている。 そしてあるきっかけから、復讐を考える。 復讐なんかより大事なことがあるとよく言…

『配達あかずきん』 大崎梢

配達あかずきん 元書店員が描く、書店ミステリーだということ。 バイトとはいえ、元書店員としてはとびつく魅力が充分すぎた。 読んでいると、バイトしてたころを思い出す。 あるある、的なこともそこかしこに。 人殺しとか、そういうミステリーではないけど…

『ZOO(2)』 乙一

ZOO〈2〉 こうして乙一さんの短編集『ZOO(2)』も読み終えて 1巻と合わせて考えると、やっぱり 「なんなんだこれは」にぶち当たる。 「血液を探せ!」 「冷たい森の白い家」 「closet」 「神の言葉」 「落ちる飛行機の中で」 「むかし夕日の公園で」 1巻…

「TODAY IS ANOTHER DAY」 ZARD

TODAY IS ANOTHER DAY 今日就活から、帰ってきてネットを開いてみたら突然の訃報。 今日のこれまでと、その訃報からでは、まるで別の日のように感じた。 ZARDの坂井さんが死去ということ。 ご冥福をお祈りいたします。 ZARDは、たくさんのアルバムを出してい…

『ZOO(1)』 乙一

ZOO〈1〉 乙一さんの作品は、大学入ったばかりのころ、 つまりは、3年前以来。 『きみにしか聞こえない―CALLING YOU』を読んだのが最初で、最後。 その中の「CALLING YOU」はよく覚えていて、 優しくて、切なくてというイメージが乙一さんの僕のイメージ。 …

『四畳半神話大系』 森見登美彦

四畳半神話大系 一言でいうとゲームだ。 ゲームの世界にはifがある。 主人公の選択肢で物語は、いくつもに移ろいゆく。 そんなこといったら、人生だって同じじゃないかと思うが、 そのifの可能性を、一つの章として物語を成立させていることに この本のゲー…

『東京公園』 小路幸也

東京公園 世の中色んな人がいるし、色んな考えがあって当たり前だと思う。 そういえば、この前久しぶりに公園に行って遊んでいたけど、 僕のように、もう夕暮れに友人と来て、童心に戻って遊ぶものもいれば、 お天道様の当たる昼間に、遊ぶ子供たち、 それを…

『盗作(上・下)』 飯田譲治 梓 河人

盗作 お久しぶりであります。 ブログ始めて以来の、長期中断、中断、挫折、etc,etc. これから復活とまではいかないかもしれないけど、 まあ、ちょっとは落ち着いたってところです。 そんなこんなで、久しぶりの読書記録を残すことに、 ブログ更新してない時…

あと一年

桜舞い散る春も ひまわり耐える夏も コスモスが恋する秋も フリージアの眠る冬も (太陽が燃えている/THE YELLOW MONKEY) そんなことを感じられる四季。 大学生活最後の四季。 今は、春。 新入生、若っかい。 いつのまにか、院生除けば最上級生。 桜の花は…

『レインツリーの国』 有川 浩

レインツリーの国 例えば、1冊の本を、100人の人が読んだとする。 その読み方は、100通りあって、 100通りの感想があって良いと思う。 1冊の本を、ある男は、主人公の男の視点から読み、 ある女はヒロインの視点から読んだ。 どんなものだって見…

「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 幸せは退屈なんだ。 ブライアンが、そう呟いて、物語は締めくくられる。 幸せも退屈も、定義は人それぞれなんだろうけど、 ブライアン・ジョーンズという人物の一生は、 退屈などではなく、スリリングで波乱…

『ホームタウン』 小路幸也

ホームタウン 大切な人たちがいて、忘れられない場所がある。 僕にとって、ホームタウンはそんなところだ。 大人は年をとり老けていき、子供は成長し大人になっていく。 街も、めまぐるしく変化していく。 しまいには、合併して元の地名ではなくなってしまっ…

『羅生門・鼻』 芥川龍之介

羅生門・鼻 そういえば、古典だけは成績が悪かったなって、思い出した。 文体とリズム。 自分には、文体と文章リズムが非常に合わない。 いや、合わない以前に、語句の意味がわかってない。 だから、わからない語句があるたび、 後ろの脚注開いて、本文戻っ…

帰ってくるよ、とってもウマナミ

そして、そんな名血を超えんとする馬たちが 明日の名血をまたつくる受け継がれるのは、血と汗と涙。 再び白い奇跡が、ターフに舞い降りるのか。 忘れられた物語。 忘れられない物語。 関わる全ての人のための物語。 夢を乗せた物語。 「たいよう」を冠に帰っ…

やっぱり、敵だった。

今日は、久しぶりの休み! リクルートスーツ着なくていい!! 昨日は、説明会でしたが、 それにプラス、磐田スタジアムで ジュビロ磐田対FC東京!! この前の試合もFC東京戦だったけど、味のもとスタジアム。 今回は、ホームだ。 やってきたぞ、福西崇史。 …

『シュレーディンガーの猫―パラドックスを生きる』 小倉千加子

シュレーディンガーの猫―パラドックスを生きる タイトルだけで、なんとなく読み進めたのだけど、 かなりイメージと違い、女性観でいっぱいのエッセイ集だった。 女性学、心理学、社会学という印象を受けた。 男の視点から見ると、手痛いなと感じるけど、 わ…

『新釈 走れメロス 他四篇』 森見登美彦

新釈 走れメロス 他四篇 ○読んだことのある作品 △あらすじくらいは知っている作品 ×ほぼ知らない作品 ↓ ○『三月記』中島敦 ×『藪の中』芥川龍之介 ○『走れメロス』太宰治 △『桜の森の満開の下』坂口安吾 ×『百物語』森鴎外 これらの作品を森見さんらしく、 …

『HEARTBEAT』 小路幸也

HEARTBEAT 最近何か急激な運動をしたわけでもないのに、 就活の影響からか、寝る時、布団にくるまっていると 自分の将来を考えたり、自己PRを考えたり、 今までのことを振り返ったり、頭の中がモワモワとして ドクドクと心臓の音が聞こえる。 未だに迷ってい…

『LOVE』 古川日出男

LOVE これは、かなり好き嫌いがわかれそうだな。 という僕は嫌いではない。 僕は群像劇が好きなのだ。 文章も、ちょっと間違えば いきがっているだけの、くどい文章になるがちだけど いかしてるぜって言いたくなる、 スタイリッシュな文章で、虜になりそう。…

「ワンピース エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち」

見てきました! ただしリクルートスーツで。 いいよね、たまにはいいよね。 と、最近就活、就活なので、息抜きをかねて。 今日は、合同ガイダンスで県庁所在市、 つまり実家がど田舎の僕にとっての都会に出たので 映画も、見てしまえと行ってきました。 ああ…

『高く遠く空へ歌ううた Pulp town-fiction』小路幸也

高く遠く空へ歌ううた サブタイトルにPulp town-fiction. 前作『空を見上げる 古い歌を口ずさむ』の続編となっている。 前作同様、主役は子ども達。 その中心人物は、義眼のためギーガンと呼ばれている少年。 ぼく、また死体を見つけてしまったんです。 これ…